特養で体調崩す高齢者が続出 停電の影響が深刻 千葉

千葉県では、台風15号に伴う停電が続き、エアコンなどが使えなくなった介護施設では、体調不良を訴える高齢者が相次いでいます。

停電の影響で熱中症になる入所者

千葉県君津市の特別養護老人ホーム【夢の郷(定員80人)】では、9月12日朝も停電が続き、台風直撃から丸3日間エアコンや電気が使えず、日中35度前後になる室内で入所者や職員が過ごしている状態です。

10日に6人が発熱し点滴対応を行うも、11日には11人に増え、38.9℃の高熱を出し救急搬送された82歳の女性もいました。しかし、搬送中、停電の影響でエレベーターが使えず、救急隊員と職員計4人が簡易担架で3階の居室から1階に運ぶ事態に。搬送された女性は、熱中症による脱水で慢性心不全の状態が悪化していたということです。

こういった状況から施設では、カセットガスで動く発電機約10台をフル活用し、酸素吸入が必要な入所者の部屋に、医務室とディサービス用の冷蔵庫計2台を動かしました。

しかし、停電の影響は深刻で施設のポンプが動かないため水洗トイレは使えず、現在、職員が20リットルのポリ容器を20個を用意し水を汲んでバケツに移し、トイレに流しています。食事の面では、ご飯やおかゆ、味噌汁、簡単なおかずをつけた食事を提供するも、暑さによって食事量が減る入所者や、排泄回数を減らそうと水分を控える入所者もいるということです。。

千葉県によりますと、11日午後1時時点で県内に709ある県所管の特養などの高齢者施設や障がい者施設などのうち、少なくとも131施設が停電、98施設で断水していたということです。