夏限定で引きこもり 高齢者が陥るフレイルの危険性

7月下旬に入り、ここからが夏本番。ですが、この夏の暑さで室内に引きこもりがちになる高齢者は少なくありません。引きこもりがちになると、必然的に活動量などが低下し、フレイル(虚弱状態)になる危険性があるので注意が必要です。

フレイルは要介護の手前

昨年は災害級の猛暑ともいわれ、昼間の外出は危険とまでされていました。しかし、今年の夏も昨年ほどではありませんが、暑いことには変わりありません。そんな暑い時期が続くと室内に引きこもりがちになり、どうしても活動量が低下していきます。高齢者の場合、短期間でも活動量が低下するとさまざまな事に影響を与え、フレイル状態に陥る危険性があります。

フレイルとは【健全な高齢者】と【要介護者】の間のことを指します。厚労省では、加齢によって身体機能が低下し、要介護状態や死亡リスクが高くなった状態のことをフレイルと考えています。その中でも、身体的フレイルが注意が必要です。

身体的なフレイルの主なチェック項目として【筋力低下】【体重減少】【歩行速度の低下】【疲れやすさ】【活動量の低下】があり、そのうち3つ以上該当していればフレイルが疑われます。測定方法は、筋力量や疲れやすさの測定は難しいと思いますが、体重や歩行速度については直ぐに出来ます。

体重測定は、BMI数値を使います【体重(キロ)÷身長(メートル)×身長(メートル)】。65歳以上は21.5~24.9が普通体型とされています。歩行速度については、歩行者用信号で青信号の間に渡り切れなければ、低下が疑われます。

しっかり食べて適度に動く

夏の暑さも手伝ってか、しっかり食べなければ体重が減少していきます。しかし、いくら食べていても栄養が偏った物ばかりでは低栄養になりますので、バランスよく食べるよう意識してください。必要に応じて、高齢者向けの宅配弁当を頼むと良いでしょう。

運動に関しては、気温が上がっていない朝方か、気温が落ち始めた夕方を狙って、家の周りを1周するだけでも全く違います。外出が難しい方は、椅子に座って膝を交互に伸ばしたり、太ももを交互に上げるなど無理のない範囲で毎日行ってください。

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