介護施設で常勤医不在 ゼリー詰まった女性が老衰か

熊本県八代市の介護老人保健施設「アメニティゆうりん」で、昨年2~5月の間に常勤医が不在時に入所者が11人死亡しました。そのうちの1人の80代女性が死亡する直前に、ゼリーを喉に詰まらせ誤嚥していたことが分かりました。法人理事長の林医師は「老衰」と診断しており、「老衰の比重が高いと考えた」と話しています。

◇ 誤嚥した時期は、常勤医不在

施設関係者によりますと、2018年4月18日朝、施設職員1人が入所者の80代女性の居室でゼリーを食べさせていました。しかし、介助していた職員に看護師らが呼ばれて駆けつけると、すでに女性の顔は真っ青な状態になっていました。

看護師は、誤嚥を疑い気管内を吸引し、大きさ1~2センチのゼリーを取り出し、また、連絡を受けて駆けつけた林医師は、介助していた職員から経緯の説明を受けたということです。

誤嚥は午前中に起きましたが、林医師は午後2時前に女性の死亡を確認し、死亡診断書の死因に「老衰」と記入したということです。

死亡した女性の遺族によると、当時の昼過ぎに施設から電話をもらい施設に着くと、林医師から「朝は異常なかったが昼に職員が巡回すると反応がなく、既に亡くなっていた」と説明され、ゼリーの話は出なかったということです。

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